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「ふみにもあげたとおり、こくおうへいかにきょうりょくしていただきたくさんじょうしました(文にも挙げた通り、国王陛下に協力して頂きたく参上しました)」
「申し上げよ」
「わたくしのちちであるギュスターヴ=M=フェリシテのあくじのけっていてきしょうこのしゅうしゅうをおたのみもうしあげたいのです(私の父であるギュスターヴ=M=フェリシテの悪事の決定的証拠の収集をお頼み申し上げたいのです)」
「そなたの言う通り、ギュスターヴ=M=フェリシテの行いは目に余る。どうにかしたいと思っていたところに、そなたが文を寄越してきた。そう申すには、大体のことは把握しておると見る」
「はい。わたくしはがいしゅつをせいげんされているため、このめでみたわけではありませんが、やしきにつかえるものたちがいうのをきいたのです。そのものたちはわたくしにとってしんようにあたいするものばかりですので、みすごすということはできませんでした。りょうないのかどなぞうぜい、ひはんてきなものへのざんぎゃくなしょち、たのしゃくけへのわいろなどにくわえ、さいきんではじんしんばいばいにまでてをだしているというのです(はい。私は外出を制限されているため、この目で見たわけではありませんが、屋敷に仕える者達が言うのを聞いたのです。その者達は私にとって信用に値する者ばかりですので、見過ごすことは出来ませんでした。領内の過度な増税、批判的な者への残虐な処置、他の爵家への賄賂などに加え、最近では人身売買にまで手を出しているというのです)」
「…人身売買だと?」


 人身売買という言葉に国王陛下は顔を険しくした。怖っ!内心ビビりつつも表面には出さずに頷いてみせる。
 この国セレストでは、人身売買や奴隷は30年程前に法で禁止された。しかし、まだ完全に取り締まることが出来ているわけではないのだ。闇組織でそれらは行われている。国王陛下としては一掃したいのが本音だろう。だからこの依頼は国王陛下にとっても有益なものであるから、きっと受けてくれるものと睨んでいる。


「…その頼み、聞き入れよう」
「ありがとうございます」


 やった!内心でガッツポーズしながら、深々と頭を下げる。第一関門突破だ。


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