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「しっぽはつかめそう?」
「それが難しいのでございます。悪い方に賢いようで」
「そう…」


 思わず口をへの字に曲げてしまう。幾ら同じ屋敷にいるといっても、ずっと動向を探るわけにもいかないからやっぱり限界があるねぇ。早くどうにかして父親を退けたいものだ。このままだと領内の民が飢えてしまう。人身売買、及び奴隷に関してもこれ以上被害を増やす前に食い止めなければ。


「…こくおうへいかにえっけんをたのもうかなあ」


 幸い、フェリシテ家は公爵に次ぐ爵位を持っている。授かった当主ではなく、その娘である私が国王陛下に謁見を申し立てることは異例中の異例だけど、今回ばかりはこれ以外に策が見当たらない。


「ジジ、だいひつをおねがいしてもいい?」
「はい。今すぐに」


 どうか会ってくれますように。

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