「真っ赤だろ?ハハッ」
「エティ!!」
赤い耳が、そこにあった。ヴァンが照れていることが証明される。
一瞬ポカンとした海だったが、怒るヴァンの必死さに質問が肯定されたことが分かって安心する。未だに爆笑するエティンセルに殴りかかろうとするヴァンに海もクスクスと笑いが漏れた。
「甘いっていう自覚あったんだな。感心感心」
「お前喧嘩売ってるのか」
本気でキレているヴァンが怒気でぶわりと風を起こした時、こそりと話しかける。
「(海ちゃんの前で暴力を奮っても良いのかー?)」
「(…ッ)」
「(すぐに手足が出るなんて嫌われるかもなぁ。あの子争いとか嫌いそうだし)」
言葉に詰まるヴァンをニヤニヤと覗き込む。エティンセル。中々にイイ性格をしている。魔法を行使しようとしていた腕を戻し、ガツンと赤い頭に拳骨を降らせた。
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