13



「ここがリュミエール王国だ」


トン、とヴァンは一つの国を指差した。


「見れば分かるだろうが、この国は山と海に囲まれていてかなり豊かな国だ」
「確かに、そうですね」
「そのおかげもあってか中心国として名を馳せた。現に一番発展している国だからな」


海はリュミエール王国を興味深げに見やる。
他国に比べて幾分か面積は小さいが、海と山に恐らく1:1の割合でバランス良く接している。
発展するのも納得出来る。


「そうだな、先に精霊について話しておくか」
「お願いします」
「なんとなくは分かるだろう?」
「まあ、なんとなくなら」
「それでいい。精霊は何億種もいるから全ては教えられない」


 ヴァンの言葉に海は目を丸くする。何億種、と言われれば聞く気も失せるというものだ。


「精霊は4つの属性から成り立っている。火、水、風、地。これが基本属性だ」


(四大元素みたいだ)


 海はポツリと心の中で呟いた。あまり科学や化学、生物など、理系にあまり精通していない海は靄がかかった知識の破片を引っ張り出す。なんかそんなものもあったな、と海は思う。
 そのとおり四大元素は火水風地を世界を構成する元素とする考え方である。海はふむふむ、と自分で納得して頷いた。この世界でもそういう考え方は生きるのか、と。

prev next

 



top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -