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「…誰ですか?」
「お前だろう」
「………」


 あまりにも非現実的過ぎて、海は唖然となった。ポカンと口を開けた美少年が鏡に映っている。暫くしてようやく鏡に映る美少年が自分であると(無理やり)理解して顔を引きつらせる。


「本当にこれが僕なんですか?」
「お前以外は有り得ないな」


 海は思わず嘆息する。とりあえずは置いといてヴァンを見やる。ここで自分の外見について考察するのは精神衛生上良くない。


「この世界について基本からお教え願いたいのですが」
「世界、ねぇ」


 ヴァンは途方に暮れる。心底面倒だ、と顔に書いてあるのを読み取って海が苦笑した。


「ま、精霊王に頼まれたしな」
「お願いします」
「ああ」


 ヴァンは気怠げに頷いた。

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