09



【この四精霊はそれぞれの属性の精霊を治めている。しかしまだ上にいるのだが、気まぐれ故に会えるかは分からぬ。四精霊の他の属性に属する者も少ないが存在する。その内に目にかかるだろう】
【そうだねぇ。とりあえずは契約成立ということで、いざという時は私たちを呼びなさい。その他のことについてはそこにいるヴァンにお聞き】


 海は振り返りヴァンを見た。ヴァンは呆れたような表情で此方を見ていたが、海と目が合うと苦笑いを返した。


【ヴァン】
「何でしょう、精霊王」


 ヴァンがオヴェロンに呼ばれて近づくと、自然と精霊たちは道を開けた。


【海は異世界から招かれた精霊の加護を受けし者。お主に託そう】
「それはまた重い任務ですね」
【元からそのつもりであっただろう?さて海よ】
「はい」
【この先良いことも悪いことも起こりうるだろう。しかし一人ではないことを忘れるでない】
「…はい」


 海の返事にオヴェロンは満足そうに笑み、一瞬のうちに消えた。ティターニアもまた共に消え、残ったのはヴァンと海と四精霊と多く集まった精霊たち。


「海、とりあえず俺の家に来るか?」


 こうして物語は始まったのである。

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