07



「誕生日プレゼント何にしたらいいのか分からなくて…」
「…分かりました」


 木葉は一応事前にリサーチしておいた情報を頭の中で整理する。
 真人の恋人は所謂クールな優等生で幼馴染なのだという。クールな人ってよく分かんないもんね、と木葉は唸る。
 幼馴染なら好みとか知っているのじゃないか、とは思ったものの、彼が好きなものは今まで色々とあげてきたものだから、もうネタ切れなのだとか。
 更に言えば、今回が恋人になって初めての彼の誕生日だそう。
 そう言えば、と思い出す。
最近その恋人さんがピアスをし出したとかいう情報が手元にある。それは本当に最近で、つい一週間程前のこと。
 それなら、本格的なピアスはまだつけてないんじゃないかな、と木葉は思い至る。確かに彼が最近買い物をした形跡はないし、情報はない。


「ピアスはどうでしょうか?」
「ピアス?」


 キョトリと首を傾げる真人。


「彼、つい先日にピアスの穴を開けたそうですよ」
「え、僕知らない」
「一週間程前だそうです。まだちゃんとした物を買っていないみたいですし」
「へー」


 僕も知らないのに、何で知ってるんですか?と聞いてくる真人に花屋ですから、と返せば黙った。

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