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「唯くん、ありがとう」
「二回目だねぇ」
「言いたかったんだ。駄目かな?」
「ううん、駄目じゃないよぉ」


 可愛いですねぇ、と唯はほんわかと狛の髪を撫でる。そして狛の頬に手を添えてじっと顔色を見た。


(顔色が大分マシになりましたね…)


 まじまじと唯は見ていたが、唯も生徒会役員であるということは相当の美形だという訳で。中性的な美貌に間近で見つめられた狛は流石に頬を桃色に染めた。


「ゆ、唯くん」
「んー?」
「えっと、ちょっと恥ずかしいかな…?」


 一瞬キョトンと目を瞬いた後、唯は慌てて手を離した。申し訳なさそうな顔で唯は狛に謝る。


「ごめんねぇ、気持ち悪かったでしょお」


 男にのぞき込まれても気持ち悪いだけだよねぇ、と頭を下げる唯。勘違いしている事に逸早く気付き、狛はぶんぶんと首を横に振った。

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