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(しかし、どうしましょうか)


 ここで唯が狛を引っ張り助けたとしても、狛の風当たりが強くなるだけで解決は出来ない。だからといってこのままにしておけば狛は間違いなく倒れるだろう。
 制裁状況はまだ一応注意だけに終わっているようだが、そろそろ陰湿なイジメも始まる頃。それに耐えられる程狛が強くないことも、唯は十分過ぎるほど知っている。
 容姿が小動物なら中身も小動物である狛は、人の心に敏感でよく影響されてしまう。良いところであり悪いところでもあるが、今は悪い方へと傾いている。親衛隊の気持ちも汲んでやりたいと思う唯だが、それにしたって…と考え込む。
 制裁が行われるのが普通になってしまっているこの学園では。どう説得しようとも無理なのかもしれない。もちろん唯自身は自分の親衛隊を管理しているので制裁など有り得ない。臣もそうで、管理こそはしていないものの交流を持つことで仲を取り持っている(朱鷺は風紀であるから親衛隊は無い)。
 そうして親衛隊と関係を持とうとしなかったのが、今や未来の取り巻きになっているのだ。こうも明白に好意を寄せていれば、更には親衛隊を蔑ろにしていれば爆発するものは爆発するもので。
 取り巻き達が未来を守る。それは良いが、ならば狛は?狛を守る者はいるのかいないのか。

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