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「あ、そうだ」
「なぁに?岸辺くん」


 学級委員長である岸辺が唯に紙束を渡す。


「氷室が休んでた分のノートのコピー」


 淡々と述べた後、岸辺はニヤリと笑んだ。


「無いと困るだろ?」
「!」


 毒舌男前委員長も萌えます!不良くんとか不良くんとか不良くんとかに攻められればいいと思います!…じゃなくって。


「岸辺くんありがとー!!」


 がばりと岸辺に抱きつく唯。周囲の悲鳴など聞こえていないようだ。


「おう。ってかお前痩せたよな?」


 岸辺は唯と同じくらいの背丈だが、華奢な唯に対して男らしい体格の岸辺はなんなく受け止める。


「あー、その…」


 唐突に問われて思わずしどろもどろになる。居た堪れないのと罪悪感とで俯く。


「その、2,3kgくらい…」
「飯は?」


 止まらない追求に唯は冷や汗を流す。ざわめいていた周囲もいつの間にか静まり返り、痛いほどの視線を唯に寄越していた。


「え、えへっ?」


 明らかに引き攣った笑みを浮かべた唯に、岸辺を始め周りも顔を顰めた。

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