『!(か、かわっ)』
全員が発火したように赤くなる。唯はそんな周りには気付かずに、ふにゃふにゃと嬉しそうに笑っている。
(氷室ってあんなに可愛かったっけ!?)
(か、かわ…いくない!目の錯覚だっ)
(なんて可愛らしい…)
(…氷室ってよく見たら美人だよな)
(格好良いのに可愛いとかっ)
(ギャップ萌えktkr!)
「ん?(何か今…)」
ヒソヒソ声の中に不穏な言葉が聞こえた気がして首を傾げる。
(その仕草GJ!!)
(ちょ、お前黙れっ)
(んぐ)
「なぁに?」
「き、気のせいだよ!」
「そうそう、気のせい気のせい!」
「氷室様が気にかけるほどのことではありませんから」
「ちょ、それ酷くない!?」
「うるさい黙れ西山」
「むぐっ」
唯はクラスメイトたちのやり取りを不思議そうに見るが、どうやら気付いていないようだ。鈍感さに救われた周囲はほっと安堵の息を漏らす。
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