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「今日は授業に出なくては」


 朝。唯は制服のボタンを留めながら呟いた。
 最近は専ら生徒会の溜まった仕事を処理するために生徒会室に篭りっ放しで、授業にあまり出ていないのだ。王道よろしく生徒会役員は授業免除である。
 しかし、唯は努力型の人間であって、教科書を見ただけで理解できるような天才型ではない。否、別に唯は頭が悪いわけではない。成績が良くなければ生徒会役員にはなれないのだから、勉強が出来ないわけではないのだ。
 けれどもやはり授業に出なくては自学だけでは理解するに足りない。だから授業に出なくてはならないのだ。が。


「追いつけるでしょうか…」


 ボタンを留め終えた唯は自身のハニーブラウンの髪をクシャリと掻き混ぜた。進学校の進み具合は半端なく速い。唯は先を思いやって溜息を吐いた。

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