「俺以外、目に映すなよ」
「そ、れは無理じゃないかと」
「んな事分かってる」
「なら」
何故、という言葉を唯は呑み込む。唯は聞かなくとも分かっていた。何故臣がそんなことをいうのか、だなんて愚問だ。
「俺が嫌なんだっつーの」
悔しそうに溜息を吐く臣を、唯はじっと見つめる。俺じゃなかったら、だなんてぼんやりと思う。どうしてこんな目に遭っているのかだなんて、唯には分からない。分かりたくないのかもしれないが。
「お前が」
「?」
「お前が他の誰かに取られると思うと、もやもやする」
「っ!」
嫉妬ですか!嫉 妬 で す か !美味しいですねありがとうございます。さぁ他の受けに言ってあげてください!
悶える唯はもうすでに現実逃避中だ。
「なぁ唯」
「っ」
おもむろに名前を呼ばれて過剰に体が反応する。低くて甘い声音に、唯は頬を朱に染める。その反応を満足そうに見ながら臣は笑う。
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