「だが感じないわけでもないんだろ?」
つぅ…と背中をなぞられてゾワリとした感覚に腰が抜けそうになる。唯は下唇を噛み締めながら臣を睨み上げた。
しかし涙目で睨まれてもむしろ煽っているようにしか見えない。腐っている唯には確かにそれには気づいてはいたが、反抗せずにはいられない。
「…何するんですか」
「何ってナニ?」
「っ」
臣は僅かに朱に染まった耳に唇を寄せて囁いた。吐息にすら感じてビクリと身体が跳ね上がる。
「耳も弱いのか」
それはそれは楽しそうに臣は笑う。耳朶に舌を這わせて唯の反応を楽しんだ。
「ちょ、会長っ」
「名前で呼べって」
「臣先輩、仕事が!」
「あるように思うか?」
ニヤリ、と臣はあくどい笑みを浮かべる。確かに生徒会室には書類は一枚も無かった。逃げる術が無くなった唯は更に慌てた。
「お前の泣きそうな顔、俺好きだわ」
「!」
どSですか!どS属性ですか!!美味しい設定ありがとうございます。
パニックを引き起こした唯は現実逃避を始めた。
「なぁ、余所見すんなよ」
「?」
そう唐突に言われて、唯は首を傾げる。
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