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「―――くぁ、」
唯は寝惚け眼で欠伸をした。寝起きの頭には朝日は眩しい。どうやらあの後はそのまま食事も風呂も全てすっぽかして寝こけてしまっていたようだった。
唯はゆるゆると起き上がるとバスルームへと足を運びシャワーを浴びた。ようやく目が覚め、まだポタポタと水が落ちる髪をタオルで拭きながら制服を着る。
「昨日は仕事してませんしね…」
チラリと唯は時計を見やる。針は7時を示していて、まだ学校へと行くのには早いが唯は鞄を掴んで外へと出た。
―――ガチャリ
「…あれ?」
生徒会室のドアノブを握り、開いたことに首を傾げる。いつもなら鍵がかかっているはずなのだが。
「…おはようございます」
「ああ、おはよう」
そこにいたのは案の定臣で。いつもなら、と考えて唯はハっとした。もしかして昨日自分が休んだから終わらなかったのだろうか。そう思って書類を探すも、見当たらない。ならば何故なのかと首を捻る。
「その首どうした」
あ。と唯は零した。噛まれたことすら忘れていた。元々の原因は臣ではあるが、そんなことを不機嫌そうな本人に言えるはずもなく。
「えっとですね」
急いで取り繕うと思うが咄嗟には出てこなくて。更に鋭くなる視線に思わず俯いた。
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