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「ってお前コレ!人の噛み跡だろうが!!」
「だから言ってるじゃないですかぁ、野獣に噛まれたって」
「お前何をのんびりしてる!ヤられたのか!?なら風紀にっ」


 いやいやいや、その風紀に噛まれたんですけど。と唯は乾いた笑いを漏らす。


「ヤられてませんよぉ。噛まれただけですー」
「本当に大丈夫なのか?」
「だーかーらぁ。ヤられてませんってぇ」
「そ、そうか。なら良い」



 血染めのタオルをひとまず机に置いて保険医は素早く消毒する。


「で、お前誰にされたんだ。お前に勝てる奴なんてそうそういないだろう」
「あは」
「誰だ」
「さぁねぇ」
「真面目に答えろ」
「言えないですよぉ」


 言える訳ないでしょう、と唯は一人ゴチた。言う気配のない唯に保険医は苛立ったように声を荒げる。


「ヤられたわけではないにしろ、風紀に言わなきゃならんだろう!」
「だーかーらぁ」


 諦めたように唯は溜息をついた。

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