「他の奴には黙っておくから」
「本当ですか!」
「あ、ああ」
思わず乗り出す唯に少し後退りながら頷く。と、その瞬間パァっと唯は笑顔になった。
「ありがとうございます!」
その無邪気な笑顔に、また臣は狼狽する。
「なっ」
内心悶える臣なんて露知らず相変わらず上機嫌に笑む唯。臣はまだ唯の身体の横に手をついたままなのでかなり近い。至近距離のそれに、ありったけの理性を振り絞って抑える。結果。
―――チュッ
「え、な!?」
唯の柔らかな頬にキスを落とした。それだけで済ませられた臣を褒めてやりたい。
「ちっクソ!」
「は、え、今…っ」
「ちょっと黙ってろ」
慌てる唯を押さえ込み、臣は細い肩に顔を埋めた。
「…やば」
「な、何がですか」
「お前良い匂いするな」
「は?ちょ、変態ですかっ」
「ちげぇっつーの。いや、案外違わねぇかもしんねぇ」
「そこは否定してください!」と言おうとした唯の首筋に濡れた感触がした。
「ひぅっ!」
「甘い」
「何してるんですかっ」
「舐めてる」
「そんなこと分かってます!」と内心叫びまくる唯。
▼