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 そう。僕は「joker」が僕であることを隠してきた。情報屋は顔が割れると恨みを買うからね。喧嘩は出来ないもの。だから僕がjokerであることは誰も知らないし、知ることは不可能。
 そんなjokerを捕まえようとする連中はやはりいるわけで。自分のものにして情報を吐かせようとする。そんな目的に僕自身、情報は使ってほしくない。
 でも、たまにいるんだ。目的が情報ではなく、僕を、「joker」を、狙う人が。そしてその人は、厄介なことに地位が高い人だったりするんだよね。
 例えば―――王、だとか。
 この人、本当に凄い人なんだよ。夜の世界ではそれこそ知らない人はいない、と言われるくらい。王様なんだよね、そのままだけど。支配するために生まれたような、そんな人。
 全員が全員、憧憬の念にうっとりするような、そんな人でもあるけれど。裏腹に恐ろしく凶暴で最強な人でもある。
 例えば30人に一斉に襲われて無傷で圧勝したり?一夜で地域の不良チームのTOPに躍り出たり?
 情報が色々入ってくるものだけど、それは全て真実。恐ろしいよねぇ。で、そんな人に僕は気に入られちゃったんだよね。本当にうっかり。

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