01 笑の幕開け



 視線を感じる。

 強い、強い視線を。


 誰かが言った「視線で人は殺せるか」という問いは、「YES」だと今ならハッキリと言える。だって、あまりにも強い視線なのだから。
 痛くて熱い。そんな、視線。


 嗚呼、本当に刺し殺されそうだ。もう殺すのなら一思いにぶっ刺してほしい。


 そう思うほどに、視線は強かった。


 何故こうも視線を感じるのか、なんて誰にも分からない。分かるのはその視線の主だけなのだろう。なら僕はその意図を理解することは一生ない。


 そう、信じていたのに。


-Obwohl ich es glaubte, warum bin ich-
(信じていたのに何故)

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