07



「言ったはずだ。俺はお前がほしいと」


 心底楽しげに笑めば、jokerは熱い息を吐いて自身の唇を拭った。


「…手加減してくださいよね」
「初めてな訳でもないのだろう?」
「悪いですか」


 予想外の返事に俺は驚く。かなりの場数を踏んでいると思っていたのだが、思い違いだったようだ。しかし、それはそれで好都合である。


「それはそれは」


 若干うんざりとした様子を見せるjokerに、仮面を外すにはもう少しであることを知れる。


「―――なぁ」


 引き寄せて耳元で囁く。


「俺のモンになれよ」


 jokerはぶるり、と体を震わせた。


「興味本位でしょう?」
「本気だとしたら?」
「信じません」


 jokerが即答したのが可笑しく、クツクツと喉の奥で笑う。いや、可笑しいと言っても恐らくそれが当然なのだろうがな。

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