「言ったはずだ。俺はお前がほしいと」
心底楽しげに笑めば、jokerは熱い息を吐いて自身の唇を拭った。
「…手加減してくださいよね」
「初めてな訳でもないのだろう?」
「悪いですか」
予想外の返事に俺は驚く。かなりの場数を踏んでいると思っていたのだが、思い違いだったようだ。しかし、それはそれで好都合である。
「それはそれは」
若干うんざりとした様子を見せるjokerに、仮面を外すにはもう少しであることを知れる。
「―――なぁ」
引き寄せて耳元で囁く。
「俺のモンになれよ」
jokerはぶるり、と体を震わせた。
「興味本位でしょう?」
「本気だとしたら?」
「信じません」
jokerが即答したのが可笑しく、クツクツと喉の奥で笑う。いや、可笑しいと言っても恐らくそれが当然なのだろうがな。
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