06



「やはりイイな」


 もう一度手に力を込めて逃げられぬようにしながら顔を近づける。重ねられた口を閉ざすjokerに目だけで笑ってみせた。抉じ開けるように舌を動かし、そうして勝負に負けたのはjokerの方だった。


「…っふ、」


 艶のある声とも吐息とも取れないそれをも逃すまいと深く口付ける。先程とは違い、仮面を剥がしにかかる。
 歯列をなぞり、逃げようとするjokerの舌を絡めとる。ディープキス独特の卑猥な水音にjokerは耐えられぬように目を伏せた。余計なことを考えている様子に、俺は更に口付けを深くする。
 かなりの時間が経ち、名残惜しく思いながらも唇を離せば口と口を繋ぐ唾液の糸がプツリと切れた。クタリと力が入らないjokerを腰に当てた腕で支えてやる。
 欲情の見え隠れする瞳に映る俺もその瞳と同様に、否、それ以上に熱を含んでいた。


「―――なぜ」


 jokerは少し拙い言葉を発した。吐息すら熱いらしく、快楽の余韻に体を震わせている。

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