「…誠意を見せてもらえたら、そうですね。考えて差し上げてもいいでしょうか」
それはきっと、僕が堕ちた時だろうか。そうなるとしたら悪い意味で?良い意味で?どちらにしても、王に水名静としての僕が跪く時なのだろう。
「誠意、ねぇ」
考え込むような仕草をする王。何を企んでいるのやら。
「…?」
喧嘩をしている割に綺麗な手で、僕の手は持ち上げられた。何をする気なのだろうか、と黙って見ていると。
「なにを…」
「なにって、キス?」
「………」
いきなり手の甲へと唇を寄せた王に僕は眉を潜める。この男は前触れが無さ過ぎて分からない。
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