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「実は生徒会がヤバくてな」
「生徒会、ですか?」


 僕が知っている限りだと、役員はほぼ全員まりもじゃにフォーリンラブらしいですからね。
 唯一仕事をしているのが、生徒会の中で一番協調性が無さそうな書記、風間豪(かざまごう)君。風貌は男前の部類に入ると思います。
 遠目でしか見たことがないので性格は決めかねますが、他人を嫌う癖があるようです。野生の狼、といったところでしょうか。
 意外だったのは、そんな無口無表情な彼が他人の仕事を請け負い、処理していることです。一人で出来るはずもないのに、馬鹿なことをするものですね。


「それで、僕に生徒会を手伝えということですか」
「察しが良くて助かる」


 僕は自分の察しの良さに後悔しましたけどね。予想は当たっていたようで、深く溜息をついてしまいました。そんな僕を見て黒羽さんは眉を下げます。


「悪いな」
「いえ。黒羽さんのせいじゃありませんから」


 黒羽さんを責めるのはお門違いですもんね。責めるべきはまりもじゃとその取り巻きと成り果てた脳無しどもです。迷惑が自分に降りかからないのならと思って放置していましたが、オイタが過ぎますよ。
 どうしてあの家畜ごときの尻拭いをしなくてはならないのですか?だけれど黒羽さんのような大物に言われてしまえば断れないですよね。
 僕に頼むということは風紀や武道の人員を割けないほどに多忙ということでしょうし。元々多いのに、更に数倍仕事が増加すれば、その内誰かしら倒れるでしょう。

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