05



 父はプログラマー、母は警察でインターネット上の犯罪を取り締まっています。家に機材が大量にあれば、子である僕が情報関係に強くなることは必然でしょう?
 以前に言った「影の風紀」というのは情報屋のようなものです。臨時要員でありながらも風紀が書類に追われている時、呼び出しをくらってやらされるのは理不尽だと思いませんか?まさか、また手伝わされるのでしょうか。嫌な予感がします。


「今俺らや風紀が忙しいのは知っているだろう?」
「まりもじゃ…転校生のせいですよね」
「ああ。親衛隊がまりもじゃの制裁のために働きまくっているから、その混乱に乗じて悪事を働く輩が出てきている。その上まりもじゃが色々と備品を破壊してまわりやがるし、暴力問題も毎日のように起こしやがる」
「…溜まってるんですねぇ」
「溜まりもするわ!」 


 黒羽さん、思いっきり転校生のこと「まりもじゃ」って言っちゃいましたよね。僕だって言い直したのに。もしや僕がまりもじゃを連呼していたからうつったんでしょうか…。
 それにしても本当に愚痴が溜まっているようで、黒羽さんはまだぶつぶつと呟いています。本題はどこに行ったんでしょうか?僕はストレス発散の道具としてここに来た訳じゃないですよ。


「大体アイツが―――」
「黒羽さん」


 僕が苦笑しながら黒羽さんを呼ぶと、我に返って謝罪を述べてきました。愚痴はまた今度聞きますから、先に用件を言ってください。

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