02



「どうしたんですか?食堂に居るなんて珍しいじゃないですか」


 涼介君は滅多に食堂に来ません。以前聞けば、いつもは自炊していると言っていました。僕は出来ないので尊敬しています。


「うん、久しぶりに来たよ。今日は仕事」


 涼介君はそう言ってつい、と目を人だかりに向けました。あの騒ぎの中心は言わずもがなまりもじゃです。僕が座っているテーブルは彼らのテーブルの対角線上にあるので静かなものです。
 どうやら涼介君は武道委員会の関係で駆り出されたようですね。本人はあからさまに嫌そうに顔を歪めました。
 実際に僕があの騒ぎの中に行って来いと言われたら絶対に遠慮願いたいです。申し訳ありませんが「僕が代わりに」なんて死んでも言いたくないので、とりあえず手を合わせて合掌しておきました。


「やめんかい!」
「痛っ」


 ペシリと頭を叩かれました。地味な痛みに悶えていると、更に涼介君は僕のこめかみをグリグリしてきました。


「いたたたたたっ!」
「道連れにしてやろうか?」


 うわぁ…黒い顔で笑ってます。なまじ美人なだけに迫力がありますが、僕は慣れたものでにっこりと微笑みました。

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