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「僕も大好きなんです。この一件の報酬でたくさんお菓子を頼みましたので、一緒に食べませんか?」
「…お前がどうしてもって言うのなら、一緒に食べてやってもいい」
「ふふ、楽しみです」
これが噂のツンデレでしょうか。周りにはいない人種ですから新鮮です。しかし和やかな空気は、すぐにやかましい足音によってかき消されました。
「―――豪!オレと一緒に遊ぼうぜ!!今みんなで…ってお前誰だ!?親衛隊か!!」
来ましたね、諸悪の根源が。嫌そうに顔を歪める風間君を横目ににっこりと作り笑いで出迎えます。
「どうも初めまして、腐男子サン?」
ピタリ、とも、ビキリ、ともいった様子で入ってきた少年は固まりました。ふふふ、僕がなんの情報もなしに対峙するなんて馬鹿な真似はしませんよ。
「な、なんで知ってるんだ!?俺が非王道を極めようとしたことを…!ハッ、まさか同士ですか!?」
「違いますよ。僕はソッチにこれっぽっちも興味はありませんから。それ以上口を開くと社会に出れなくしますよ」
笑みを深めれば少年は真っ青になって口を噤みました。おや、残念。そのまま喋ってくれていた方が楽なんですけどね。
「さあて、この落とし前をどうつけてくれますか?」
風間君、どうします?と聞くと傍観に徹していた彼は目を瞬きました。
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