19



「どうぞ。疲れた体には甘いものがおすすめですよ」


 甘いものが嫌いだとかほざいとらどうやって食べさせましょうか、と思いましたがどうやら杞憂だったようですね。机にプリンを置けば風間君の瞳がキラリと輝きましたから。
 もしかしてスイーツ仲間ゲットかもしれません。黙って食べだした彼が、不意に僕をじっと見つめてきました。


「何か?」
「…本当に風紀なんだな」
「そうですよ」


 まだ疑っていたんですか、と流石に呆れて呟いてしまいました。と同時に首を傾げます。
 風間君はどうして僕が風紀委員であることを信じたのでしょう。不思議そうにしているのに気付いた彼が答えをくれました。


「俺は夕日と従兄弟だから」


 ああ、なるほど。そういえばそうでしたね。黒羽さんが本家で、風間君は分家だったはず。すっかり失念していました。


「これ、夕日が作っただろ」
「はい。よく分かりましたね」
「あいつの作った甘味は美味いからな」


 おやおや、いつになく饒舌ですね。そして言質は取りました。スイーツ仲間の誕生です!

prev next

 



top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -