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 仕事をひたすらこなし続けて数時間。窓の外はすっかり暗くなって夜を知らせてきます。
 時計を見て午後9時であるのを確認していると仮眠室のドアが開きました。中からのそりと出てきたのはもちろん風間君。


「顔色良くなりましたね」
「………書類は」


 僕の言葉に複雑そうな顔をして周りを見回して風間君が言いました。終わらせましたよ、と紅茶の注がれたティーカップを片手に答えると、切れ長の目が見開かれました。
 無口無表情と言われている割には感情が表に出ていますし、言葉少なであるのもただ無駄が嫌いなだけのようですね。


「寝ている間に終わったものを風紀に渡してきました。その時にプリンをいただいたので一緒に食べましょう」


 にこりと笑って立ち上がり、備え付けの小さな冷蔵庫に向かいます。ちなみにプリンは黒羽さんの差し入れですよ!
 「簡単なものしかないが」と言っていましたが僕にとってはこれ以上ない御馳走です。満面の笑みで受け取れば頭をわしゃわしゃされました。
 あ、告白されたからといって遠慮なんてものは持ち合わせていないので気まずくなんてなりませんよ。というか、あの人は本当に僕を恋愛対象として見ているのでしょうか?どうにもペット扱いであるような気がするんですが…。

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