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「俺のこと嫌いか?」
「…嫌いなら既に社会的抹殺を実行しているに決まっているじゃないですか」
「そやったら俺にも勝算はあるんやな」


 それとこれとは別問題な気がしますけど。彼は僕の上から退いて手を差し出してきました。躊躇わずにその手を取り立ち上がります。こういうさり気ない所で先生の優しさが垣間見えて、僕は目を伏せました。
 断ったことを後悔はしませんが、罪悪感が気分を重くします。だからといって彼らに謝罪を述べるのは失礼ですし、ならばせめて。


「…ありがとうございます」
「どういたしまして」


 微笑んだ彼に、気恥ずかしくなって仮眠室に無理やり押し込みました。当初の予定だった点滴を打たせるために。
 僕は書類に取り掛かることにします。尋常じゃない紙の山を見ると嫌になってきますが、報酬のためにも頑張らなくては!

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