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「そーかいなぁ?嫉妬するわぁ」
「さっきから何なんですか、貴方がた」


 さらりと爆弾を投下しないでほしいものです。すると彼はニヤリと口の端を上げました。
 …嫌な予感ってどうしてこんなに当たるんでしょうかね。どうせならテストのヤマくらい当たってほしいですよ。


「俺以外にも言われたんやぁ?…へぇ」
「押し倒す必要性を感じませんが」


 とりあえず体をよじってみますが逃れることは叶わず。根っからのインドア派なので力は皆無なのですよ。
 …母と腕相撲をして負けたのは悲しい思い出です。あれは流石に凹みました。母も呆れていましたし。まあ父は「俺も負けたから大丈夫だよ」と言っていましたが余計に落ち込みました。僕は確実に父の血を引いているようです。


「…退いてくれませんか?」
「嫌や言うたら?」
「生き地獄を見せて差し上げますよ」


 先生は「おお怖っ」と言いながらも僕の上から退こうとはしません。一体何だと言うのでしょうか。
 わざとらしく体を震わせて、藤原先生は笑います。しかし決して目は笑っていない。…僕にとって真剣な目ほど苦手なものはありません。
 暫し見つめ合っていましたが、外したのは結局僕でした。

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