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「いきなり何やねん!」
「存在が五月蝿いですよね、藤原先生って」
「酷っ!?」


 白衣を着たチャラ男…もとい保健医の藤原蒔露(ふじわらじろ)先生です。関西出身で、絡んでくる全体的に面倒臭い人。これでも腕は良いのでそこは尊敬すべき点でしょうか。


「折角来たったのに礼の一つも無いんか!鬼、悪魔っ」
「静かにしてもらえます?」
「うん、自分可哀相やわ…」


 やっと静かになりましたね。やれやれ。煩わしいことこの上ありませんが、扱いやすいのでよしとしましょう。


「仮眠室に風間君が寝ています。十中八九栄養不足でしょうから点滴をお願いします」
「なんや珍しい。そないに空月が誰かの面倒見るなんてどういう風の吹き回しや?」


 目を見開いて僕を見てくる先生。でもその言葉には僕も同意します。普段ならこんな親切なことはしません。
 休ませたり点滴を打つよう手配したりなんてせずに、機械的に書類を済ませるだけでしょう。


「…ただの気紛れですよ」

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