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「…?」
「そろそろ眠くなってきましたか?」
「お前…!」


 トロンとした目になった彼。そりゃそうです、眠り薬をこっそり入れましたから。切れ長の瞳が鋭く眇められていますが、僕は怯みません。
 別に悪用する訳ではありません。ただ、彼に睡眠を強制的に取らせようという魂胆です。


「だってこうでもしないと大人しく寝てくれないでしょう?」


 さて、強力な薬ですから限界は近いでしょう。僕に自分よりも一回りも大きい男を持ち上げるほどの筋力は無いので、己で仮眠室まで歩いてもらうことにします。
 風間君は自分に害を加えることは無いと確信したのか、抵抗も文句も言わず従ってくれました。ベッドに押し込み仮眠室のドアを閉めました。あの様子だと一日は起きないでしょう。


「今すぐ栄養剤を持って生徒会室に来てください。5分以内で」
『は?』


 ブツっ。
 電話の相手が何か言いかけていましたが問答無用で電源ボタンを連打しました。
 待っている間にもう一杯お茶を飲みましょうかね。もちろん毒は入れません。コポコポとティーポットからカップに注いで一息ついたところに慌ただしさがやって来ました。

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