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「かーざまくぅん、あっそびっましょー♪」


 この台詞一度言ってみたかったんですよねぇ。某有名な美尻のアニメごっこです。
 僕は返事を待たずに生徒会室のドアを開けました。はい、今更ながらに引き受けた事を後悔しましたよ!何ですか、この見たことの無いような紙のタワー。


「誰だ」
「いたんですか」


 積み上げられた書類から顔を出したのは書記の風間君。男前なのは変わらないですが、目の下に隈は出来てしまっているしやつれて美貌に彩が欠けてしまっています。寝食をしていないのでしょうね。
 ここまで行くと流石の僕でも心配はします。


「風紀の空月です。援助を頼まれたので来ました」
「いらない」
「訳がないでしょう。今にも倒れそうですし、それにこれは僕の仕事ですからね」


 にっこりと意図的に微笑んでみせます。風間君は訝しげに僕を見つめてきました。


「…風紀?」
「はい。公表はされていませんが」


 まあいきなり現れて風紀だと言われても、怪しいでしょうしね。別に疑われても構わないので放置することにします。
 とりあえずハーブティーでも淹れましょう。生徒会室の構造は元々知っているので足取りに迷いはありません。

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