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「―――白藍様…?珍しく機嫌がよろしいですね。何かあったのですか?」


 鮮やかな緑の髪と瞳の一人の青年が膝を折って言葉を発す。白藍よりは低いが、それでも2m近い高身長は圧巻だ。そして彼もまた額に一つ角を持っていた。


「花嫁に会った」


 青年、常磐(ときわ)はレンズ越しの目を大きく見開いた。中指で軽く眼鏡を直しながら白藍を見やる。


「それは本当ですか?」
「嘘は吐かぬ」
「そうですか…。まさか二度目があるとは思いませんでした」
「俺は知っていた」


 予想外の言葉に常磐がまじまじと見つめる。白藍は相変わらずの無表情でただ淡々と言い放った。


「魂が知っていた。生まれたその瞬間から決まっていたことを」
「…それは、鬼頭(きとう)様は知っていらっしゃるのですか」
「言ったことはないが、勘づいているだろうよ」


 なるほど、と頷いて一番聞きたいことを尋ねることにする。

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