「…甘い、な」
「ッ」
そう言い口角を小さく上げた白藍の妖艶さに咲は息を呑む。朱が走る頬をサラリとなぞり、白藍は愉快そうにクツクツと喉の奥で笑ってみせた。
「…甘いわけがないでしょう」
「そうか?」
白藍を睨むが、本人は動じずただ笑う。先程までの無表情は幻のように。
「サクはすべて、甘い」
「何を…!」
首筋を湿った感触に犯される。舐められたのだと早々に気付いた咲は自分の全力で目前の巨大を押す。
だが一回り違う筋肉質な体格には、常にデスクワークを主として働いている咲では到底適わない。微量も動かない白藍に、なす術もなく良いようにされてしまう。
「やめ…っ」
「…美味い」
白藍は目を細めてかぷっと軽く噛んだ。黄色人種独特の黄みがかった肌に白い犬歯が食い込む。
咲は得体の知れぬ感覚に体の力が抜けて崩れ落ちそうになる身体を支えようと男の和服を掴むが、その縋るような仕草が白藍の理性を揺さぶっていることに気付かない。少々赤く痕の残ったそこを再び宥めるように舐めた。
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