「人間が言うところの運命と言えば、分かるか?出逢うべくして出逢った…否、少々異なるか」
結局のところ、咲には分からなかった。白藍が詰まることからして恐らく言葉に表すのは難しい事柄なのだろう。
「出逢えば、魂が惹かれる。それは必然であり絶対」
「…分かりそうで分からない」
思わず声を漏らせば、白藍は少し目元を緩めた。たったそれだけで、あの威圧感が薄らぐのだから不思議である。ゆっくりと近付いてくる男の顔に、咲は無意識の内に目を瞑り受け入れていた。
「…ん、ぁッ」
ぬるりとした熱い物体が口内に侵入し貪り始める。荒々しい感情的な先程のキスとは異なり、咲を快感にとろけさせる官能的な深いキス。
ピチャリと水音が耳にまで届いた。神聖で厳かな神社でする罪悪感と背徳感にゾクゾクする。
「…ッは…」
漸く離れた唇と咲の唇の間に銀色の糸が繋がり、程なくしてぷつりと切れた。どちらのものか分からない体液に濡れた唇を白藍が舐める様の卑猥さに咲は頬を赤らめる。
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