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(この子、危ないんじゃ)


 外見は確かにタチで、可愛らしい男に言い寄られそうではあるが、何よりも心配なのは中身が可愛らしく、野獣組に襲われるのではないか。そう思わずにはいられない。
 大和にとって雅の印象は“小動物”であるが、学園に入ればそう簡単にはいかない。むしろ、性的対象にされるのがほとんどだろう。
 容易く伺える雅の未来に、大和は溜息を吐いた。雅は不思議そうにコテリと首を倒しているが。


(ここがどういう学園なのか分かってるのかなぁ)


 ぼんやりと雅を見つめてみるが、どう見ても理解しているようには見えない。相変わらず首を傾げている雅は外見とのギャップで相当な可愛らしさを醸し出している。


「どうかしましたか?」
「いや、うん。ちょっとね」


 不思議そうに見てくるその瞳が純粋すぎて余計に不安を煽る。暫しの間頭を抱えていた大和だったが、ガシリと雅の肩を掴んだ。


「気をつけてね…!!」
「へ?あ、はい?」


 何を意味しているのか分からない雅であったが、大和の剣幕に押されて頷いていた。

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