「貴方のお名前を伺ってもいいでしょうか?」
「私のですか?」
「はい」
「白鳥大和ですが」
不思議そうにする彼に雅は小さく微笑む。
「白鳥さん、また会いに来てもいいですか?」
「え」
「迷惑、でしょうか」
やっぱり駄目か、と雅はシュンとする。大和の目には耳と尻尾が垂れているように見えた。
幻覚であったらどんなに良いことか。いや、それはそれで可愛らしいのだから文句は無いのだけども。
「いえ、いつでも遊びにきてください」
「!」
「待ってますね」
大和の言葉に雅は思わずほにゃりと頬を緩めた。それを間近で見てしまった大和は。
「…っ!!」
「ありがとうござます」
口を押さえて真っ赤になった。
(何この子、可愛いんですけど!!)
「大和さんって呼んでもいいですか?」
「あ、はい」
「やった!じゃあ俺の事も雅って呼んでください」
「…じゃあ雅君でいい?」
「はい!」
ニコニコと笑う雅。大和、撃沈。
(容姿は申し分なく男前なのに!可愛いって何!?)
大和の内情など分かるはずもない天然な雅はふわりと頬を緩める。内心では「知り合い第一号!」とはしゃいでいた。
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