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「は、る」


 最中に何度も確かめるように呼ばれた俺の名前。夏哉を覗き込んだが起きる気配は無い。
 ということは寝言か。お前の夢の中でも俺は存在しているのか。俺ってば愛されてるな。自意識過剰でもなくそう思える事がどれだけ奇跡に近いのか、俺は嫌というほど知っている。
 頬を緩め、俺は誰よりも愛する人の頬に口付けて胸板に顔をすり寄せる。香水の匂いは一切なく、シャンプーと夏哉の香りが鼻腔をくすぐった。それに安堵を覚えつつ、俺は再び幸せな微睡みへと落ちていった。





俺の住処は野獣の腕の中


(いつだって居場所は此処にあったんだ)



end

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