13



「俺さァ、丁度3ヶ月前にお前に負けてサ」
『波瑠はどこだ!!』
「どうやったら復讐出来るかって考えて」
『波瑠は無事なのかっ!!?』
「お前の唯一の弱点、拉致してみたんだァ」


 悲鳴に近い夏哉の電話越しの叫びに応えようとしても、手島に口を押さえられて声を出すことが出来ない。


(どうしたらっ)


 必死に俺は考える。そして結果、俺は手島の手に噛み付いた。


―――ガリッッ


「っいったァ」
「夏哉、来るな!」
『波瑠っ無事なのか!』
「俺は良いから此処には来るな…っガフ!」


 頬を拳で殴られる。さっきの平手どころじゃなく、口の中が切れて熱い。


「―――躾がなってないネェ」
『波瑠!波瑠!?』
「ぅ…」


 脳味噌が揺れるような感覚に陥り、喋ることもままならない。それでも必死に歯を食いしばって手島を睨みつける。


「…へぇ?」
『波瑠!!』
「イイ顔するネ。金谷波瑠…波瑠」


 ニタリと笑う手島の目に…情欲が滲んでいた。


「黒木、早く来ないと俺食べちゃうヨ。美味しそうだネェ、波瑠」
『テメェ!!』
「場所、教えてあげるつもりだったけど気が変わったナ。お前の相手は波瑠を味わってからネ」


―――ブツッ

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