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「おーい、高橋・清水・佐々木・長谷川ぁー」
「あ?」
「んー?」
「………」
「何」


 出てきた四人。馬鹿には見えたり見えなかったり、だな。


「補習のセンセーがお呼びだぞ」
「望月怜那だ、よろしく」
「ほしゅー?あー、俺は高橋弥彦だ。弥彦様と呼べ」
「弥彦ってば馬鹿じゃないの。補習も漢字で書けない訳?おれは清水歩、よろしく」
「…佐々木大智」
「大智、それだけじゃ駄目だろう。僕は長谷川伊織だ、よろしく」
「あ、ああよろしく」


 説明いる?ああ、いるよな。なんか俺自信なくしそうなんだけども。
 簡単に行くか。上から、顔は良いのに頭は残念っぽい高橋弥彦。可愛い系で舌っ足らずで「おれ」と言う清水歩。美人だけど無表情無口な佐々木大智。眼鏡かけてて見た目優等生の長谷川伊織。
 いや、まあ、な?上の3人は良いとしよう。優等生な格好しといて赤点常習犯なのか、長谷川。人って見かけによらない、とは言うがこれはちょっと。再び遠い目をしてしまう俺を止めないでくれ。


「望月は学年首位なんだってさ」
「シュイって何だ?」
「馬鹿じゃないのか。首位って言うのは一位って事だ」
「へー凄いねぇ頭どうなってんの?」
「………」


 高橋、そこまで馬鹿なのか。これをどうしろと言うんだ、湊さん。


「あー、その、なんだ。望月、こいつら馬鹿だけど良い奴らだから」
「ああ、まあそうだな」
「根気強く教えてやってくれ」
「長い道のりになりそうだよな」
「良い事教えてやろうか?」
「あいつら、教師殺しって呼ばれてんだよ」
「!!?」
「つまりは物覚え悪すぎるってことー」
「センセーも諦めちゃったもんね」
「なー」


 どうしよう、果てしなく面倒そうなんだが。でもまあ引き受けてしまったしなぁ(強制ではあったが)。


「とりあえず、俺はいつ補習すればいい?」
「放課後で良いんじゃねぇの?」
「そうだな。だったらこれから毎日放課後残っておいてくれるか?」
「「「「「了解」」」」」
「良い返事だなあ」


 なんつーか、仲良いな?俺は殺伐としているもんだと思っていたから、不思議な光景だった。

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