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「っつか何しに来たんだ?」
「あー、補習の件でな」
「ああ、補習か。そんな時期だなー」
「“お馬鹿四人衆”は相変わらずだぞ」
「ああ、相変わらず馬鹿だよな」
「アイツらは馬鹿じゃないとアイツらじゃねぇし」
「「「「それもそうだな」」」」


 おーい何か言われてんぞー。


「で、アイツらは?」
「あー?いねぇな」
「いたら望月に飛び掛ってんもんな」
「まあそうだな」
「今アレじゃね?先生から呼び出し」
「ああ、そういやそうだったな」
「何で?」
「なんでってそりゃあ」
「アイツらまた授業中寝てたからな」
「しかも鬼の授業なのに」
「アイツら本当馬鹿だよな」
「今頃説教中じゃねぇの?」
「…あー」


 鬼の授業で寝ちゃ駄目だろう。ちなみに鬼とは数学の鬼山先生のことだ。まあ学園一怖い先生だな。


「いや、でもそろそろ帰って来るんじゃねぇの?」
「あーそうだな」
「今の内に望月と遊んどこうぜ」
「そうだな!」
「「「賛成!!」」」
「え、俺の意見無視なのか」


 ズルズルと引きずられて輪の中に引き込まれる。まあいっか。俺は座り直して配られたトランプを見やった。


「不良がトランプとか…」
「いいじゃん」
「楽しいじゃんトランプ」
「今じじ抜きやってんだぞ」
「なんだ?大富豪がいいのか?」
「そういう問題じゃないんだが」


 なんかこう、麻雀とかじゃないんだな。なんだかでっかい子供みたいだ。


「おっしゃ、やんぞー」
「手持ち回ったかー?」
「「「「回った」」」」
「誰から行く?」
「やっぱジャンケンだろ」
「それもそうだな」
「「「「「ジャーンケンポーン」」」」」
「お、俺からか」
「じゃあ左回りで行くぜ」
「りょうかーい」


 なんでだろう。強面がトランプしてる姿って癒される気がする。しかもジャンケン。俺はバレないように小さく笑った。

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