「あぁ、なるほど。ありがとう、分かったよ」
「なら良かった」
「望月の教え方は分かりやすくて助かるよ」と委員長の言葉に俺は流石に少し照れた。僅かに赤に染まった目元を委員長に指摘されて笑われることのなんと恥ずかしいことか。
「そういえば、今年もやるの?“勉強会”」
「ああ、そうだな」
ふと思い出したように言われて、思い至る。そうか、テスト週間ということは、“勉強会”も始まるのか。
「毎回大変だね、望月」
「まあな。でも悪い奴らじゃないし」
“彼ら”の顔を思い浮かべて、口角を上げる。
「馬鹿な子ほど可愛いってよく言うだろ?」
俺がそう言えば、委員長は目を丸くして噴出した。
「あはははははっ!そうだね」
「だろ?」
まあ説明するならば、俺が教える「先生」となって赤点常習犯に補習を行う。それを“勉強会”と称して毎回テスト週間の際に行っているのだ。
「望月って何でわざわざそんなことしてるの?面倒じゃない?」
「あー、まあ最初は面倒だと思ってたんだけどなぁ」
苦笑してあの日のことを思い出す。あれはもう一年前、丁度今頃の話だ。
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