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「あ、りがと?」
「お前その顔でケーキ作んの!?」
「どうせ悪人面だっつーの」
「ギャップ半端ねぇなー」


 周りに茶々を入れられて顔を顰める見た目不良さん。俺の周りって変な奴多くないか?


「今度チーズケーキ作ってよー」
「面倒」
「趣味なのに!?」
「チっ。分かったよ」
「僕はチョコがいーなぁ」
「俺モンブラン好き!」
「注文すんなお前ら!!!」
「「「あはははっ」」」
「望月君」
「何?」


 もうそろそろ机がヤバイ。机の色すらも分からなくなってきた。盛りすぎだろ。


「カツサンドあるけどいる?」
「いる」
「即答?」
「当然」


 男子たるもの肉を食わないでどうする。笑いながら差し出してきたカツサンドを有難く貰う。


「渦巻きキャンディいる?」
「うわっ懐かしい!」
「あ、俺もほしい」
「僕も僕も」
「はいよー」


 大量の直径10cmほどの渦巻きキャンディを伸びてきた手に渡していく。


「余ったやつ全部やるよ」
「…ありがと」


 俺は残飯処理班か。などと考えながら受け取る。


「俺えびせん持ってるぞ」
「あ、僕欲しい!」
「なつかしーっ」


 なんか間食大会になってないか?そう思ったのは俺だけではなかったらしく。唐突にずしりと頭の上に重みを感じた。


「先生」
「何故か凄いことになってんな」
「ですよね」
「ところでお前これ全部持てるのか?」
「あ」


 その考えは全く無かった。


「おーい、その辺」
「あ、せんせーじゃん」
「先生もあげるー」
「おう、サンキュ。袋持ってるか?」
「あるよー、はい」


 渡された袋に山積みになったお菓子(じゃないものも)を詰めていく。


「それ、足りますか?」
「無理だろうな」


 ですよねー。もうすでにパンパンだが、まだ3分の2は残っているし。


「袋まだあるよ」
「あ、ありがと」
「和菓子は別の方が良くない?」
「それもそうだね」
「ケーキはこのままでもいいんじゃね?」
「箱に入ってるし大丈夫だろ」


 わやわやとクラスメートが協力してくれた。結果。


「…3袋と1ホール?」
「和菓子もあるから4袋だよ」
「多いな」


 立花先生の言葉に全員が頷いた。


「でもこれさ、授業邪魔じゃないの?」
「「「あー」」」


 チラリと大量の菓子を見やる。


「一回寮に持って帰る方が良さそうだな」
「そうだね」
「それがいい」
「でもこれ一回じゃ無理そうだな」
「そうだな。じゃあさ、誰か体格の良い奴ー」
「あ、俺行こうか?」
「俺も行く」
「じゃあ決定な。望月、この二人お供に持ってけ」
「サンキュ」
「いえいえ」


 俺が礼を述べるとにっこりと笑い返してくれた。

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