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「あーっ!山寺ずるーい」
「僕もチョコあげるよ」
「ガムならあるぞー」
「酢昆布食べる?」
「カリカリ梅あるよぉ」


 いや、ジャンル揃えろよ。酢昆布もカリカリ梅も好きだけどさ。


「あ、僕GODIVAのチョコ持ってるよ」
「俺和菓子持ってるけど」


 いやいやいやいや。GODIVAってかなり高いやつだよな。そんなのもらっていいのか?というかそこのお前なんで学校に和菓子持ってきてんの?


「俺の実家和菓子屋だから」
「へぇ」
「初耳ー、苺大福ある?」
「あるある」


 ごそごそと鞄を探って出てきたのは。


「マジで!?」
「美味しそう!食べていい!?」
「望月にあげたらなー」


 どれ欲しい?と言われて出てきたのは大量の和菓子。


「多くないか?」
「生だから早めに食べろよ」
「いや、そうなら何でこんなに」
「実家から送られてくるんだって」
「…じゃあ苺大福一つ貰う」
「もっとやるよ」


 ドサドサ、と机に色々な種類の和菓子を盛られる。…選ぶ意味あったのか?


「ほいほい。何が欲しいわけ?」
「苺大福ぅ!」
「あ、じゃあ僕これもらっていい?」
「もってけドロボー」


 何故か俺の机で和菓子屋が開店した。


「あ、望月君これあげるね」
「何これ」
「僕の会社の新商品。感想よろしく!」
「俺って実験台?」
「気にしない気にしない」
「…まぁもらっとく」


 得体の知れないものを受け取る。何だろうか、これ。


「じゃあ俺も」


 はい、と渡されたものはペットボトル。ラベルが見当たらなくて首を傾げる。


「俺んとこの新商品」
「中身って何?」
「いや、俺もよく知らない」
「そんなもの渡すなよ」


 もっと得体の知れない謎すぎる液体を受け取る。


「多分スポドリじゃないか?」
「多分?」
「多分」


 怪しいな、と思って苦笑する。


「ケーキいるか?」
「え」


 ケーキ?突然すぎないか?


「俺が作ったんだけど」
「コイツん家ケーキ屋なんだぜ」
「菓子作りはほぼ趣味だけどな」


 ワンホールのケーキを机に載せられた。

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