18
「親衛隊は本日をもって―――解散します」
「は?」
間抜けな声を上げたのは、俺だ。そんな俺に6人全員がクスクスと笑う。
「驚いた?」
「望月くん間抜けーっ」
「皆で考えて決めたんだよ」
「皆って、親衛隊の子全員ね?」
「全員合意だよ」
「それでね、望月くんっ!」
ガシリと6人に掴まれる。目を白黒させる俺にとどめを刺した。
「「「「「「望月くんの親衛隊作ってもいい?」」」」」
俺がフリーズしたのは言うまでもない。
「ちょ、なん、はぁ!?」
「あ、大丈夫。風紀の許可は得てきたから」
今日のアレはあんたらのせいか!!
「あいつらって先輩方のことですか!!!」
あれ?何か怒鳴ったせいかクラクラする。というか殴られた腹が痛い、熱い。先輩たちの慌てた声をBGMに誰かに抱きとめられたそこで俺はブラックアウトした。
◇◇◇
「ん…」
疼く痛みに意識が浮上する。眉を寄せながら目を開けば、どアップの雷先輩の顔があった。心の中でビビりながら状況を把握しようとする。
「望月くんっ!」
「大丈夫!?」
泣きそうな声に、冷静に分析する。気を失ってからあまり時間は経っていないようだ。
「平気で…って、うわっ!?」
突然身体に感じた浮遊感に声を上げる。更に近くなった整った顔立ちに、横抱きにされたのかと理解する。
「とりあえず保健室に連れて行く。後はまかせた」
「了解。ったく委員長も人遣いの荒い」
聞き覚えのない声に顔を横に向ける。
「副、委員長」
そこには風紀副委員長である根岸悠馬が立っていた。明るめの茶色に染められた髪にいくつも開けられたピアスホール。明らかに不良の人種であるが実際は面倒見が良く、その男気に惚れた者も少なくないという噂だ。
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