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なんだかんだで色々あった俺の人生だけどちょっとした悩みというのも存在する。


1つ目はというと自分の名前。


まぁこれは変えられる訳ないし今更気にしてもって話なんだが男の俺がマリアだなんて名前、絶対勘違いされるだろ?子供の時はそれが嫌で仕方がなかったもんさ。


もう一つは俺自身の能力。


実は悪魔の実を食っちまった能力者でもある。
名前はイヌイヌの実、モデル「狼犬(ウルフドック」。
聴覚と臭覚が優れている犬種だそうでお陰で耳と鼻がよくきくし普通の人に比べて動物並みの身体能力は持っている、とかなんとか。
動物になると狼より少し大きめの大きさになるかな。
普段生活する上で便利な能力だなとは思う。
この間だって高いとこに引っかかった風船取るために能力使って取ってやったりできたし偶々遭遇したひったくりの犯人を姿を変えてちょっと走れば遠くにいた犯人にすぐ様追いついて捕らえる事ができた。

こうやってちょこちょこ人助けしては能力使ってる姿をどうも海兵に見られているようで海兵の間で噂になっていたらしい。
それを聞きつけた海兵の友人共に入隊して鍛えてみない?ってお茶しようみたいなノリで誘われていて困っている。これがもう一つの悩み。
ちょっと前に話したと思うけど俺は料理をする事が大好きだ。
だから毎回ごめんなってお断りしてる訳だけどちょっと断りを入れたぐらいでは簡単に引き下がってはくれなく会う度に勧誘してくるから・・・・諦めの悪い奴らめ。
ついには噂を聞いてしまったセンゴクさんが声をかけてきてくれて君みたいな有望な人材が来てくれると嬉しいんだが、なんて聞いてくるからびっくりするぜ全く・・・厨房にいても気が休まらない




「マリア」



ぶっきらぼうに聞こえるその声は低く耳に残り昔から何度も聞いている筈の俺でも呼ばれるだけで内心ドキってさせてくる、現在1番俺の頭を悩ませてる人物だ




「スモーカー!!久しぶりじゃないか、新しい所でのたれ死んでないか心配してたんだけど元気そうで良かったよ」
『てめぇに心配される程落ちちゃいねぇよ。お前もまだくたばってなかったんだな』

この軽口の叩き合いが俺たち流の昔からの挨拶。
お陰で様でこの通りさ、って胸を張って告げると見りゃわかると言わんばかりに俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でてくる。ゴツゴツとした男らしい手からは想像できない程力加減は優しくて俺はこいつのこういうギャップに弱いんだ。

今までの俺なら頭をぐしゃぐしゃにされようが軽口の一つは返せていたんだ、だけど俺がスモーカーを意識するようになってから軽口どころかこうして触ってくる事さえドキドキして平静を装う事でいっぱいいっぱいになってしまった



そう、何より今1番悩んでいる事は俺がこいつの事を好きになってしまったと言うことだ。



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