貴方との甘く柔らかな時間は、まるで風船に針を刺したみたいに唐突に弾け飛んでしまった。
残酷な現実を受け入れられなくて、受け入れたくなくて、私は現実を拒絶した。
ずっと虚構に閉じ籠っていたとき、ふと貴方の笑顔が頭に浮かんだ。
ああ。
迷惑をかけてしまってごめんなさい。
貴方に頼りきりでごめんなさい。
下らないことで貴方に私の気持ちを直接伝えなくてごめんなさい。
貴方との一分一秒を大切にしなくてごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
きっと貴方は優しいから、遠くへ行ってしまった今でもこんな私のことを心配してくれているでしょう。
けど、もう大丈夫。
大丈夫だから。
ごめんなさい。
……ありがとう。
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