『番外編』
君と溺れたい【2】
肩に手を付いて体を起こした麻衣の胸がちょうど顔の前に来る。
「もう硬くなってる……」
「だってぇ」
「ん？」
「陸が側に居るだけでドキドキして……陸が好き、大好き」
「俺も大好き」
好きという言葉もお互いの体を熱くするのが分かる。
麻衣の体が好きだ。
細い腰も柔らかい体も俺だけを求めるように震えるこの小さなピンク色の蕾も。
チュッ。
小さな音を立てて軽いキスを頂きに落とした。
「ふふっ……くすぐったいよぉ」
「じゃあ、これは？」
くすぐったいと麻衣が身を捩るたびに揺れる蕾を口に含む。
甘い、そんなはずあるわけないのにいつもそう思う。
その甘さはまるで即効性の媚薬のように全身を駆け巡り、掛けていたはずのストッパーを外していく。
口に含みながら舌を巻きつける。
吐息のような喘ぎ声が少しずつ艶の声に変わっていく。
「気持ちいい？」
「うん、すごく……。もっと……ね、陸……」
「なぁに？」
「もっと強く……して？」
おねだりを口にするくせに恥ずかしそうに目を伏せる。
そのギャップにいつも撃ち抜かれる。
「ンッ！ あぁ……陸ぅ」
歯を立てるたびにビクビクッと反応を返してくれる麻衣。
体が熱い……この熱さに溺れそうだ。
お互いの体を抱きしめ足を絡めながら再び深いキスを交わす。
抱き合いながら海を漂うように体がフワフワする。
そう、まるで熱い海で溺れそうな……。
「陸、陸……ストップ！」
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