『番外編』
清なる夜に【5】

「抱いて欲しいって頼めよ」

 頼まれなくても抱く、けど今日くらいいつも聞けない言葉を言わせてもいいだろ。

 日本中の恋人達が盛るクリスマス、それくらいしてもかのこも文句を言うはずがない。

「和真、抱いて……早く欲しいの」

「何が欲しいのかちゃんと言わないと分からないだろ」

 つくづく俺も好きだなと心の中で自嘲気味に笑う。

 少し恥ずかしそうに瞼を伏せるかのこ、俺は顎に指を掛けて持ち上げた。

「言えよ。ちゃんとおねだり出来よるよな?」

「和真のオ○ン○ン欲しい……もう入れてぇ」

「濡らさないと痛いだろ? このまま入れていいのか?」

「あぁ……っ」

 熱いヌメリの中に指を押し込みクチュクチュと音を立てると白い喉を反らしたかのこが喘ぎ声を上げた。

 指に絡みつく愛液にかのこがすぐにでも受け入れる事が出来ると分かる。

 その濡れ具合に驚いた。

 いつもよりもぐっしょり濡れたそこは愛撫もそこそこしかしてないのに、柔らかく中は蠢いている。

「そんなに欲しいなら自分で脱いで足広げて見せろよ」

 そんな言葉を掛けるとかのこの手が動く。

 させるのは初めてじゃないが、こんなに積極的に動くかのこは初めてかもしれない。

 嬉しいんだが、少々物足りない。

 嫌だというかのこをからかいながら虐めるのが楽しいんだが……。

 少々複雑な気持ちになっていると下着を脱いだかのこが足を広げた。

「エロいな、かのこ」

「違うぅ……」

 かのこが甘えた声を吐き出すたびに自身が硬くなっていくのが分かる。

 今日はこれ以上は焦らせそうにないな……。

 自分の方が持たないと俺はジッパーを下ろしてズボンを下ろすのももどかしく、前だけ肌蹴ると自身を取り出してゴムを取り出した。

 気が急くせいかいつになくゴムを着けるのに手間取った。

「おい……」

 顔を上げればかのこはいつの間にか足を閉じている。

「足閉じてんじゃねぇぞ。早く開けよ」

「んっ……」

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